④牛乳と認知症 認知症予防効果を高めて健康になろう

牛乳・乳製品の摂取量が多いとアルツハイマー病の発症率が低下

日本で実施された研究結果から、牛乳・乳製品の摂取がアルツハイマー病の防御因子であることが認められているよ。

牛乳・乳製品の摂取が認知症の発症予防に関連していることを示した日本人を対象とした研究データがあります。その研究は、福岡県久山町で行われていることから久山町研究といわれています。久山町の住民は、年齢・職業分布が全国平均とほぼ同じことから、ここで得られたデータは日本人の平均的データとして捉えることができるため、病気とその危険因子・防御因子の因果関係を証明する精度の高い調査として認められています。

この研究で認知症の発症率と食事パターンについて検証したところ、牛乳・ 乳製品の摂取は特にアルツハイマー病で有意な防御因子であることが認められました。*

牛乳・乳製品に含まれまるカルシウム、マグネシウム、ビタミンB12、ホエイたんぱく等が認知症予防の要因だと考えられているんだって

久山町の追跡調査では牛乳・乳製品に含まれるカルシウムやマグネシウムの認知症に対する予防効果が明らかになっています。

また、牛乳・乳製品には、アルツハイマー病の危険因子の一つとされる血漿ホモシステイン値を低下させるB12多く含みます。

さらに、牛乳・乳製品に含まれるホエイたんぱくはアルツハイマー病の危険因子であるインスリン抵抗性を改善させるとの報告もあります。**

*Am J Clin Nutr,97:1076,2013 **九州神経精神医学,60:83,2014

日本人のカルシウム摂取量と摂取基準量、牛乳の豊富なカルシウム含有量

日本人のカルシウム摂取量は不足しているみたい

推奨量と比較すると、かなり少ないね

日本人のカルシウム摂取量は、令和元年の調査結果*から不足気味であることが確認できます。こういった背景があることから、カルシウムを多く含む牛乳・乳製品の摂取が日本人の認知症の発症予防と関連しているのではないかとも考えられています。

男性では40~49歳で平均442mg、50~59歳で平均471mg、60~69歳で平均533mgのカルシウム摂取量 (推奨量は30~74歳で750mg)

女性では40~49歳で平均441mg、50~59歳で平均472mg、60~69歳で平均539mgのカルシウム摂取量 (推奨量は30~74歳で650mg)

牛乳にはカルシウムが豊富に含まれるよ

牛乳は簡単に飲めるし、牛乳のカルシウムは吸収率も優れるから効率よくカルシウムを摂取できるね

みなさんもご存じのように、牛乳にはカルシウムが豊富に含まれます。

1日のカルシウム摂取基準量は30~74歳の男性では750mg、15歳以上の女性では650mg **とされています。これに対して牛乳コップ1杯(200g)には220mg***含まれています。

30~74歳の男性においては牛乳1杯で摂取基準量/日 の約29%、15歳以上の女性においては約34%に相当する量が摂取できます。これまでの生活に牛乳1杯増やすだけで、推奨摂取量の達成に近づくことができるようになります。

【カルシウムの1日の摂取基準量と牛乳1杯(200g)に含まれる割合】

年齢男性の基準量牛乳200gに
含まれる割合
女性の基準量牛乳200gに
含まれる割合
0~5カ月200mg/日(目安)110%200mg/日(目安)110%
6~11カ月250mg/日(目安)88%250mg/日(目安)88%
1~2歳450mg/日49%400mg/日55%
3~5歳600mg/日37%550mg/日40%
6~7歳600mg/日37%550mg/日40%
8~9歳650mg/日34%750mg/日29%
10~11歳700mg/日31%750mg/日29%
12~14歳1000mg/日22%800mg/日28%
15~17歳800mg/日28%650mg/日34%
18~29歳800mg/日28%650mg/日34%
30~49歳750mg/日29%650mg/日34%
50~64歳750mg/日29%650mg/日34%
65~74歳750mg/日29%650mg/日34%

日本人のマグネシウム摂取量と摂取基準量、牛乳のマグネシウム含有量

日本人のマグネシウムの摂取量も不足気味だね。

日本人のマグネシウム摂取量も、令和元年の調査結果*から不足気味であることが確認できます。

牛乳は栄養の種類も豊富

マグネシウムも含まれているんだね

カルシウムほど豊富ではありませんが、牛乳にもマグネシウムにもある程度含まれています。海藻類、魚介類、豆類などにも多く含まれています。

【マグネシウムの1日の摂取基準量と牛乳1杯(200g)に含まれる割合】

年齢男性の基準量牛乳200gに
含まれる割合
女性の基準量牛乳200gに
含まれる割合
0~5カ月20mg/日(目安)100%20mg/日(目安)100%
6~11カ月60mg/日(目安)33%60mg/日(目安)33%
1~2歳70mg/日29%70mg/日29%
3~5歳100mg/日20%100mg/日20%
6~7歳130mg/日15%130mg/日15%
8~9歳170mg/日12%160mg/日12%
10~11歳210mg/日10%220mg/日10%
12~14歳290mg/日7%290mg/日7%
15~17歳360mg/日6%310mg/日6%
18~29歳340mg/日6%270mg/日7%
30~49歳370mg/日5%290mg/日7%
50~64歳370mg/日5%290mg/日7%
65~74歳350mg/日6%280mg/日7%

ビタミン12の摂取基準量と牛乳の豊富な含有量

ビタミン12も牛乳には豊富に含まれているんだね

牛乳1杯には、成人の1日の摂取基準量の1/4が含まれているね

牛乳のビタミンB12が他の食品と比べて特別多いということではありませんが、摂取基準量からみると豊富に含まれているといえます。カルシウム、マグネシウム等と同時に摂取できる点も栄養豊富な牛乳の良いところでもあります。

【ビタミンB12の1日の摂取基準量と牛乳1杯(200g)に含まれる割合】

年齢男性の基準量牛乳200gに
含まれる割合
女性の基準量牛乳200gに
含まれる割合
0~5カ月0.4µg/日(目安)150%0.4µg/日(目安)150%
6~11カ月0.5µg/日(目安)120%0.5µg/日(目安)120%
1~2歳0.9µg/日67%0.9µg/日67%
3~5歳1.1µg/日55%1.1µg/日55%
6~7歳1.3µg/日46%1.3µg/日46%
8~9歳1.6µg/日38%1.6µg/日38%
10~11歳1.9µg/日32%1.9µg/日32%
12~14歳2.4µg/日25%2.4µg/日25%
15~17歳2.4µg/日25%2.4µg/日25%
18~29歳2.4µg/日25%2.4µg/日25%
30~49歳2.4µg/日25%2.4µg/日25%
50~64歳2.4µg/日25%2.4µg/日25%
65~74歳2.4µg/日25%2.4µg/日25%

牛乳のホエイたんぱく

ホエイたんぱくというのは、ヨーグルトの上澄み液に含まれる水に溶けやすいタンパク質

牛乳には良質なタンパク質が豊富に含まれているんだよ

牛乳に含まれているタンパク質には水溶性のホエイたんぱくと不溶性カゼインたんぱくがあります。含まれる割合は、約20%がホエイたんぱく、約80%がカゼインたんぱくといわれています。

ホエイたんぱくというのは、乳に含まれる特有のたんぱく質で日本語では乳清タンパク質とよばれています。そのためホエイたんぱくを摂取するには、牛乳をはじめとした乳製品を摂取することが必須となります。

ホエイたんぱくは水溶性のため、水に溶けやすい性質があり、よく見る例としてはヨーグルトの上澄み液に含まれるたんぱく質がホエイたんぱくになります。

牛乳には良質なタンパク質が豊富に含まれているよ

牛乳は栄養の種類、量ともに豊富だね

【たんぱく質の1日の摂取基準量と牛乳1杯(200g)に含まれる割合】

年齢男性の基準量牛乳200gに
含まれる割合
女性の基準量牛乳200gに
含まれる割合
0~5カ月10g/日(目安)66%10g/日(目安)66%
6~8カ月15g/日(目安)44%15g/日(目安)44%
9~11カ月25g/日(目安)26%25g/日(目安)26%
1~2歳20g/日33%20g/日33%
3~5歳25g/日26%25g/日26%
6~7歳30g/日22%30g/日22%
8~9歳40g/日17%40g/日17%
10~11歳45g/日15%50g/日13%
12~14歳60g/日11%55g/日12%
15~17歳65g/日10%55g/日12%
18~29歳65g/日10%50g/日13%
30~49歳65g/日10%50g/日13%
50~64歳65g/日10%50g/日13%
65~74歳60g/日11%50g/日13%

*令和元年国民健康・栄養調査 **日本人の食事摂取基準(2020年版) ***日本食品標準成分表2015年版(七訂)

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