牛乳には多くのカルシウムが含まれることはよく知られていますが、量だけでなく吸収率も他の食品と比べて高いので、牛乳を飲むと効率よくカルシウムを体に吸収させることができます。
牛乳のカルシウム吸収率が高い理由としては主に2つの作用が考えられます。
一つはCPPという物質の働きです。牛乳のたんぱく質が消化される過程でCPPという物質が生成されますが、このCPPにはカルシウムの吸収を高める作用があるのです。一般的にカルシウムは小腸の下部まで運ばれるとほかの物質と結合してしまい溶け難くなってしまいます。そうなると小腸から吸収され難くなりますが、CPPはこの結合を抑えるくれるので小腸の下部でもカルシウムをしっかりと吸収することができるのです。
もう一つは乳糖の働きです。牛乳に含まれる乳糖にはカルシウムの吸収を促進する作用があると考えられています。
実際に牛乳では、摂取したカルシウムの約40%が吸収されることがわかっています。牛乳と並びカルシウムが豊富なことで知られている小魚(ワカサギ・イワシ)の吸収率は約33%、野菜(コマツナ・モロヘイヤ・オカヒジキ)の吸収率は19%です*ので、牛乳の吸収率の高いことがわかります。
せっかくカルシウムを摂取しても体に吸収されなければ意味がありません。牛乳にはカルシウムの吸収を促進させる作用もあるので、しっかりとカルシウムを活用することができるのです。
*日本栄養・食糧学会Vol.51 日本人若年女性における牛乳、小魚、野菜のカルシウム吸収率(1998年)
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